明日菜は今日もボコボコにされるのだろうか、さてはて。

俺は明日菜の兄。地下女子ボクシングの選手である明日菜を

毎回応援している。それと同時に観客に配られる弁当が楽しみでたまらない。

 

明日菜の時代がやっとやってきた。というのもNWOVMPというブームがおこったからだ。

ニュー・ウェイヴ・オブ・ヴィンテージ・マウス・ピースだ。

ようするに使い込んだマウスピースの良さといったところかな?

明日菜は口に収まらないほどの大きなマウスピースを装備していて、なおかつ変色しても洗わない。

高い滅菌装置(ライト放射型)を買ってばっちくならないようにしている。

匂いはキツいけどね。それにしてもこの弁当のウニのテリーヌはうまいぞ、うん。

 

あ、明日菜の下にも妹がいる。紗菜という。

明日菜は物凄くシャイで、紗菜はちょっとオープンかな? 彼女はセコンドをしてくれている。

 

 

「お姉ちゃん、今日の相手は強打者だよ!」

「ん、わかってる」 紗菜に言われ、明日菜はキッとした表情を見せる。

「……ぶん殴られたら気持ちいいだろうなぁとか思ってるんじゃない?」紗菜はジトッとした目で明日菜を見る。

「い、いや、勝つ姿をお兄ちゃんにたまには見せないと」

明日菜は焦って言うが、このパターンで勝てた事は無い。

「どうせお兄ちゃんはお弁当食べて見てないんだから」

「そ、そうだね、じゃあどうしろって言うの?」明日菜は不満そうに言う。

 

「ボコられてイっちゃえ♪」紗菜は人事のようにそう言った。間違いなく人事だと思っている。

「や、やっぱりボコられてる方が私、人気あるのかなぁ」明日菜が笑う」

「照れ笑いしてる場合でもないよ、変態。その白いスパッツもう股間の部分濡れてアソコがスケスケじゃない」

「あ、あはは」

ひたすら明日菜は笑った。

 

 

ゴングが鳴り明日菜が元気良く相手に突っ込んでいく。

さっそくl、元気良くボコボコになっている。

相手にパンチは当たらないが明日菜の顔面にはパンチが次々と当たる。

「あふっ」

明日菜の口からは飛び出すのには不可能ほど大きいマウスピースがはみ出る。

「効……ク」

明日菜は両足をガクガクさせながらダウンするのを耐える。

 

――さあNWOVMPの代表格、明日菜選手はマウスピースを吐き出して今日もダウンするのでしょうか――

アナウンスに会場が盛り上がる。

 

ドガッ! ドガッ!

相手選手も空気を読んで明日菜にマウスピースを吐かせようと必死にパンチを打つ。

だが二人の善戦(?)空しく何も起こらずに1ラウンドは終わった。

 

「はいおつかれ。マウスピースは洗わなくていいんだよね」

紗菜は適当に言う。

 

「一応こんなの吐きますってアピールしたほうが……」

「はいはい、お姉ぇの言う通りにしますよっと」

 

ガポガポ

 

「出ないなぁ、よいしょっと!」

 

ガポォッ! ズルベチャッ!

 

大量の唾液といっしょに明日菜のマウスピースが引きずり出された。

「うわぁっ、臭い!」

紗菜は思わず声をあげた。

淫水焼けならぬ唾液焼けをして黄色っぽく変色したマウスピースに唾液がひどくからみついて出てきた。

その匂いは唾液を濃縮して、どう褒めても良い匂いとは言えないツーンとした匂いだった。

「しょうがないなぁ」

紗菜はそれを右手で高々とあげる。すると観客席から大きな拍手が渦のようにおこった。

 

紗菜は何となく自分が拍手されているような気になり、半分照れながら必死にアピールした。

 

カーン

 

「あ、紗菜、マウスピース入れて入れて!」

「あ、あああ」

急いで口にマウスピースをねじこみ、2ラウンドが始まった。

「ていっ! ていっ!」

明日菜のパンチはまったく相手に当たらない。

グシャッ! グシャッ!

相手のパンチは面白いように当たる。

 

ぐしゃぁっ!!!

 

 

強烈なフック一発。明日菜の口からマウスピースが大きくはみ出た。

「ヴフッ!」

明日菜ははみ出たマウスピースのまわりから唾液を大量に吐き出した。

 

「もう一発!」相手は叫んでフックを打ち下ろすようにした。

グシャァッ!!!!

 

「ヴェロッ!」

ついに明日菜のマウスピースが吐き出された。

グチュゥン、グチャッ、グチャァァァッ!

物凄い音がしてマウスピースが跳ねる。

グジュッと明日菜の股間から愛液が排出され、濃縮されたような匂いの唾液もグチャグチャと口から

吐き出された。

 

「お姉ぇ、感じると唾液も臭いんだよね……うっぷ」

紗菜は口を押さえたが、さきほどのインターバルのときに手についた明日菜の唾液の匂いを思い切り嗅いでしまった。

「うっぷ……えろえろえろえろ」

 

 

 

 

 

 

 

うむ。明日菜もなんか拍手されてるし、紗菜もなんかゲロ吐いててウケてるぞ。

今日の弁当はウニのテリーヌにワインがよく合う。ヒック。

兄は満足である。