「玉砕で行くよ」

ママはインターバルでそう言った、血にまみれたマウスピースを手に私が洗おうか洗わないべきか迷っている

時に。

 

「玉砕?」

「そう。打たれても一撃は打ち返すって事」

ゴングが鳴ると結局洗われなかったマウスピースをかぶりつくように私の手から口で奪い取ると

ママはリングの中央へ向かって言った。

 

ガシュッ!

ママがフックを喰らった。でも体制を崩すような格好から力をためる様にゆっくりと元の格好に戻りながら

一気に右フックを打った。

見事にそれはかわされたが、ママの玉砕の意味が言葉よりよく分かった。

「相手もそれなりには済まさない」という気持ちなのだろうか? せめて一方的より善戦に見せたほうが

見た目は映える。きっと負けるだろうけどある程度は盛り上がるだろう。

 

だがママの反撃はことごとく避けられ、さらにカウンターを喰らっていた。

天井のビジョンを見ると6ラウンド。ボクシング経験者では無いママにとってどれ位辛いのだろう?

何はともあれ、立ち続けて戦うママは格好良い。私もどんどん白熱して行っている。

 

そして、濡れている。性的興奮が止まらない。

 

 

ぐっしゃぁぁぁ!

 

ママに強烈な一打が決まり、血と唾液をブゥッと宙に吐き出しながら体をぐるりと一回点させる。

眼前のマットの上にそれらの液体がビシャビシャと落ち、少し遅れてマウスピースが振ってきた。

それは血と唾液の上をビチョーンと跳ねて場外、こちらへ飛んできた。

 

口の中に納まって口の中のケガから守る、普段は表に出ない防具。

そして何より剣道部の防具が臭いのとは違う。

マウスピースが臭い=口腔の匂いが臭い

という魚拓的な意味合いも持っている、要するに吐き出すには恥ずかしすぎる防具なのだ。

私の……膣? 名前はよくわからないけど下腹部がキューンと閉じた感じがして

どろっとした液体がパンツに放出された。明らかにおしっこじゃない。出る場所が違うもの。

 

それで終わりかと思った。

でもお下腹部の違和感がおさまらず、何かが迫ってくる感じがしてきた。

リングの上では抵抗するすべを失ったママが滅茶苦茶に殴られている。

(ママが、あんなに元気で男顔負けのママがボコボコに……)

私は自分が興奮している理由がよくわからなかった。だけど何かが迫ってくる。

 

 

「んはぁっ!」

私は声をあげた。膣らしき部分が収縮するのがわかる。その動きにあわせて

生きていて初めての大きな大きな気持ちよさが襲ってきて、脳がどうにかなりそうだった。

もう、触らないと我慢できない。でも一人で?

もう、自分のあそこの割れ目に沿って思い切り指で擦りたかった。

 

そこでゴングが鳴り、顔をボッコボコに腫らせたママがコーナーへ戻ってきた。

私は沸騰する頭を制御出来ない。

 

「どした?……」

荒い息まじりにママは言う。そんな元気なんかもうとっくに無いだろうに。

とりあえず椅子は出した。ママは「ふー」と言いながらゆっくりと椅子に座り、まるで

温泉に浸かっているような雰囲気を出していた。

私は吹き飛んできたマウスピースに気が付いた。これをもっと良く観察したら良かったのだ。

更に快感が増しただろう。

ママは私の恍惚とした表情を読み取っていたのだろう。「こ、興奮するか?」と

少し驚いたように聞いてきた。

私が頷くと、ママは自分の股間をグローブで指した。

ねばねばと排出される粘液を拭いて欲しいらしかった。私はタオルを持って行こうとしたが

タオルにしみこんだ先ほどのママの粘液は時間を得て一層、生臭くなっていた。

もう本当に良い。私はそれを鼻に押し付けながらママの待つリングへとのぼった。

 

ぱっくりだ。ぱっくりママのあそこが開いている。今までに無くぱっくり。

磯の香りがぷぅんとした。よく船着場で遊んでいたが、そこの匂いだ、磯の香り。

柔らかくママのあそこを拭く。粘液を吸い取って飽和状態になればタオルの一をずらして

拭いて行く。大量の粘液が生臭く、生臭くいつまでも排出される。

 

まただ。私の膣が収縮する。声は出さないように頑張ったけど、物凄く気持ちが良い。

「もう自分の好きにしちゃいな。ここの映像って表に出回る事は無いんだから」

ママのお許しが出た。誰かに免罪符を出してもらいたかったと私は必死に思っていたんだ。

 

ああ、ママが。いつも威厳のあるママの顔がボコボコにされて……。

おっぱいも殴られて普段は出ない白い液体が乳首からダラダラ出ている。

尊敬してたのに……尊敬してたのにこれじゃあ興奮するしかないじゃない。

 

ベチャ

 

私のパンツが粘液の重さに耐え切れずにずり落ちた。もうこのまま、あそこを擦ってしまえ。

私は戸惑いもなく自分のそこを指で擦りだした。ネチネチネチネチとねばる音がする。

みっともない。ママの姿も、無様に吐き出したマウスピースも。さらにそれは唾液だけじゃなくて

血にまみれていつもの威厳まるつぶれだよ……本当は臭くて汚くてみっともないママ……。

私の頭にそれらがグルグルまわりながら必死に自分のそこを擦った。

 

カーン

 

「あ、マウスピース」

7ラウンドが始まり、マウスピースをママの口に渡さないといけない。

私はとっさにマウスピースを逆さまにくわえた。

「んっ」

私はそのまま顔を差し出す。ママが顔をくっつけて口から口へと渡ればいい。

私の事を変態だと思うだろう、でもママはノって来た。

ママと唇が触れ、マウスピースがヌルッと奪い取られる。

「あんたもやるねぇ」

ママはそう言った。どういう意味だろう? でも私はやっぱりレズでママが好きなんだ。間違いが無い。

 

「離婚の原因も私がレズだった……から」

ママはそうボソッと言って相手に立ち向かって言った。

 

ママが滅多打ち。血を吐き出して片目は潰れて、痣でいっぱい。

お金が欲しいはずじゃなかったのか? 私は私に問いかけてみた。

「ママ! 頑張って!」

その言葉がやっと出た頃にはもう遅かった。

強烈なアッパーがママの顎を突き上げて。

血まみれのマウスピースは血みどろという、おどろおどろしい名前が似合うように血でいっぱいだった。

そしてママの目はイっている。どこも見ていないようにしか見えない。

 

びちゃぁぁぁぁぁぁっ!

 

私の目の前で血の塊、つまりマウスピースが跳ねた。私の顔へ血と唾液がビシャビシャと降りかかる。

ゴングが鳴り響きママの負けは確定した。リングの上でビクンビクンと痙攣している横で

相手選手は華やかに勝ち宣言として両手をあげている。

 

ママはまるでぼろぞうきん。

 

 

だけど私はその姿を見て必死にあそこを擦った。何て変態なんだろう。でも我慢が出来ない。

ママ、ママ!

 

 

 

「顔いてぇ、負けたからこんなモンしかくれなかった」

ママは封筒を振るとジャラジャラと硬貨の音がする。

「ダメだったのかなぁ?」私は呟いた。

「ははは、オナニー娘。今晩相手してやろうか?」

ママの口からそう出るとは思わず、私は履き替えたパンツに粘液が滲むのを感じた。

 

「ま、小銭じゃあなぁ。100円硬貨? それが5枚かな」

そう言いながらママは封筒から硬貨を取り出した。

 

 

記念硬貨の10万円硬貨だった。

 

 

「……これ価値的にヤばくない?」

私の言葉にママは黙って頷いた。

 

合計は100万円だけど価値は結構なものだと思った。

「いや、試合が終わってギャラの話になってさ、「また出てください、今回はあなたが新人という事でで少ない

ですが」って言ってたけど、8枚……80万」

 

「はちじゅうまん……」私は繰り返して言った。

 

「や、焼肉だ!」

ママはそう叫んで両手をあげた。

「焼肉食べて精力をつける?」

私はちょっと挑発的にいったが、

「そうだね、色々テクを教えないとね」と返された。

これはこれで家族の幸せな形だな、と私は思った。